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呼吸療法士とは?海外でECMOを管理してる呼吸療法士について

どうも、さじです。

最近コロナウイルスの関係から、ECMOが非常にピックアップされていますね。

日本ではECMOの管理は臨床工学技士が行いますが、海外では誰が管理しているのか知っていますか?

海外の病院では臨床工学技士のように業務の範囲が広い資格ではなく、各専門領域ごとに資格が設定されてます。

その中でECMOの管理は呼吸と循環を専門とする呼吸療法士が行なっているんです。

今回は呼吸療法士って何?どんなことしてるの?どんな資格なのか?

についてまとめました。

呼吸療法士とは?臨床工学技士とは違うの?

呼吸療法士は日本ではあまり聞き慣れない資格ですよね。

日本で臨床工学技士は代謝・呼吸・循環・医療機器と多くの分野で業務を行なっていますが、海外ではこれらの資格はさらに細分化されて、それぞれの専門資格として成り立っています。

その中でも呼吸と循環の部分を担当しているのが呼吸療法士なんです。

彼らは呼吸と循環の専門教育を受けて、呼吸療法士協会の認定試験に合格し各病院で業務を行ないます。

内容としては臨床工学技士・看護師・理学療法士の業務全てを担う感じになります。

それだけ業務の幅も広く、より専門的なスキルが必要になる資格になります。

呼吸療法士は世界のどの国にあるの?

実は呼吸療法士が以前からあるのはアメリカとカナダです。

その他にもサウジアラビアにもありますが、資格の管轄はカナダになるので、登録自体はカナダの呼吸療法協会になります。

それ以外の国に関しては看護師理学療法士の資格に対して副資格として設定されていることが多いです。

カナダ

認定された呼吸療法の学校を卒業すると、卒業生はカナダ呼吸管理委員会が管理する国家試験に合格する必要があります。

試験に合格後、カナダ呼吸療法学会に登録される事で実際に呼吸療法士として働くことができます。

アメリカ

米国で呼吸療法士は、2年または4年性の学校を卒業して、認定資格試験に合格して呼吸療法士になることができます。

アメリカでの資格の認定は州ごとに設定されていて、住んでいる州が変われ場また新しい州で資格試験を受けなくてはなりません。

米国には2つの承認された統治機関があります。

呼吸療法士が実施することを許可されている州の呼吸管理委員会と、2つのレベルを規制する非営利組織である全国呼吸管理委員会(NBRC)です。

フランス

呼吸療法はフランスの理学療法の副専門です。専門分野としての呼吸器ケアは、Françaisedes MasseursKinésithérapeutesRééducateursによって規制されています。

ドイツ

ドイツの呼吸療法学会が設定し、すでに看護師や理学療法士の資格を持って居る者に1年間のトレーニングを行ったのち、資格試験に合格し認定されます。

イタリア

イタリアでは、呼吸療法士の称号は呼吸療法の修士号を取得して取得することができます。

イタリアの病院全体での授業とさまざまなインターンシップで構成されています。

フィリピン

フィリピンの呼吸療法士は、最低でも呼吸ケアにおける科学の学士学位を授与されている臨床医です。

 呼吸ケアを実施するライセンスは、フィリピン呼吸療法専門委員会およびフィリピン呼吸療法法によって法的に維持されている専門的規制委員会によって規制されています。

アラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦では呼吸療法士になるには、呼吸ケアにおける科学の学士号を授与されている必要があります。

外国人申請者には、さらに2年間の経験が必要です。

サウジアラビア

サウジアラビアは、カナダや米国と同様の方法で呼吸療法士を制定しています。

北米の呼吸療法士の中には、一時的な必要性のためにサウジアラビアに移動する人もいます。

シンガポール

シンガポールでの呼吸療法士は、集中治療室の重症患者のケアに不可欠な役割を果たす為の医療専門家です。

職務の一環として、呼吸療法士の一部は定期的に診断ポリソムノグラフィー検査室と肺機能検査検査室にスタッフを配置し、患者の診断手順を支援します。

シンガポールのすべての呼吸療法士は、地域および米国全体の認定機関によって授与される呼吸療法の学士号を取得する必要があります。

イギリス

英国での呼吸療法は、特定の職業として認められたものではなく、医師、看護師、理学療法士、作業療法士が取得できる専門的な資格になります。

一般的な肩書には、心肺理学療法士、臨床呼吸生理学者、呼吸看護師、および心肺作業療法士が含まれます。

台湾

台湾での呼吸療法士は、最低でも4年の科学の学士学位を授与された医療専門家の一つです。

台湾のほとんどの呼吸療法士は、人工気道維持、侵襲的または非侵襲的換気管理、エアロゾル療法、酸素療法、吸入一酸化窒素療法、CPR、胸部理学療法、動脈血ガス分析、肺リハビリテーションのための成人、新生児および小児ICUケアに参加しています、肺拡張療法などに従事します。

呼吸療法士の仕事はどんなことをするの?

呼吸療法士の仕事は呼吸管理がメインにはなりますが、それ以外にも手術室や集中治療室での呼吸・循環管理など、より多くの事を行なっています。

呼吸管理を通してチーム医療に貢献

人工呼吸器を装着された呼吸困難のある患者の評価と治療を行います。

医師の指示は大まかなものになり、こういう状態を目指したい・こうして欲しいと指示が出てきます。

その指示に合ったように人工呼吸器の設定を変更して呼吸を管理し、患者の呼吸状態の安定化し症状の改善を図ります。

心肺系をサポートするためにさまざまな介入を行う

人工呼吸器の管理だけでは追いつかない重症な呼吸不全に対してECMOを導入し、管理を行います。

病院によってはECMOの専門技士として配属される人もいるようです。

治療中は酸素や薬物の投与 • 呼吸器疾患の症例を診断、追跡、管理するために心肺機能検査も実施します。

手術室において麻酔科医の補助として業務を実施

麻酔器の管理や点検、操作方法などを麻酔科医にレクチャーしたり、実際に手術中に麻酔器の管理を行います。

人工気道および侵襲的ラインの挿入を実行または支援をしたり、手術が円滑に進むように手術室で様々な業務を行なっています。

呼吸療法士は呼吸管理の専門家!

医師の指示の元に医療行為を行うのは臨床工学技士と同じですが、業務の範囲が臨床工学技士とは全然違うものになります。

今コロナウイルスで世界中で呼吸器症状を訴える人が溢れて、人工呼吸器が足りない状況になってきました。

そんな中で呼吸管理の専門家としてニーズが高まるのが呼吸療法士です。

人工呼吸器もECMOもつなげれば病気が良くなるものではなく、一時的に呼吸の部分を替わることしかできません。

患者に合った設定はどれか、どの治療方法が合っているのか、呼吸状態の評価はどうなのか、どう人工呼吸器から離脱してくのか。

それらを判断して診療の補助を行うのが呼吸療法士の役割になります。

日本にはない資格ですが、今後日本でもこの資格のような人たちが生まれてくる事を願います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。